トピックス

平成29年度宮城県地域医療介護総合確保事業

(一社)大崎歯科医師会多職種連携講演会
― 食をサポートするみなさまと共に『食べる』を考える 2 ― が開催されました。

【日時】平成30年3月4日(日)午前9時50分~午後3時
【場所】大崎合同庁舎大会議室(大崎市)

日曜日の午前10時開演にも関わらず歯科医師、歯科衛生士、医師、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、栄養士、ケアマネージャー、介護スタッフ、行政関係者、関係業者など約150名が参加して、講演会が大崎合同庁舎で開催されました。

食をサポートするみなさまと共に『食べる』を考える2

講演1「施設の立場から」 ~病院からグループホーム入居そして自宅復帰への試み~
講師:グループホーム ふかふか・はうす 深澤 文雅 所長
自宅の自室で転倒→骨折→2か月半の入院となったことを契機に意欲、体力、認知機能の低下を招き(座る姿勢も保てず自分から食べようとしなくなった)、自宅に戻れずグループホームに入居されたTさんが、多職種連携による原因の分析、それに基づいたキュア、ケアにより驚くほど回復された事例を紹介していただきました。
楽しみのある、活きいきとした生活を取り戻すためには、口から食べて体力を回復し、同時にグループホームの入居者、ケアスタッフ等、社会的な関りを密に持つことが大事なことであるということでした。

講演1「施設の立場から」

講演2「リハビリテーションの立場から」~「食のかかりつけ」には誰がなる~
講師:みやぎ県南中核病院リハビリテーション科 瀬田 拓 先生
超高齢社会の到来に向け、地域包括ケアシステムの構築の必要性が叫ばれているが、まだまだ、どのようなものにするか試行錯誤の状態と思われる。
例えば、多職種協働チームモデルではリーダー不在のため、境界領域の対応が不十分であったり、病院にかかっていない有病者や、健常者の将来予測される様々な障害の予防をシステムのなかでいかにフォローアップしていくか、入院中、退院後のリハビリをどのような理念のもとに実施していくか、また、最後まで元気においしく食べ、多くの人と関わりながら楽しく暮らすためには「食のかかりつけ」がいかに重要な役割を果たすかなどを詳しく示していただきました。

講演2「リハビリテーションの立場から

講演3「NSTの立場から」~チーム医療と栄養~
講師:大崎市民病院腫瘍内科 高橋 義和 先生
NSTとは、具合が悪くて入院された患者さんの原疾患を治療するのが主治医とすれば、栄養支持療法を用いて治癒に向かいやすくなるように、あるいは、より良く過ごせるようにサポートする多職種連携のチームのことである。
健康な時と、病気の時では必要な栄養の量が異なること、必要量はまず大雑把な式で推定して、試してみて、患者の状態に応じて常に再検討することが大事であるということを具体的な事例を交えて話していただきました。

講演3「NSTの立場から」

講演4「歯科の立場から」~摂食嚥下リハビリテーションにおける歯科的対応~
講師:聖隷三方原病院 歯科 鴨田 勇司 先生
聖隷三方原病院では、リハビリテーション科医師をリーダーとして摂食嚥下リハビリテーションを多職種連携により行っている。
歯科的対応としては、その専門性を生かして、舌の機能障害に伴う摂食嚥下障害や構音障害に用いる舌接触補助床(PAP)と軟口蓋挙上不全に伴う開鼻声や鼻咽腔逆流に対して用いる軟口蓋挙上装置(PLP)などの嚥下補助装置を主に作成していること、病棟看護師や言語聴覚士では難渋する症例に対して歯科衛生士による口腔ケアを実施していること、特に嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査前に専門的口腔ケアを実施することで正しい嚥下の評価に繋がっていくことなどを講演していただきました。

講演4「歯科の立場から」

長時間にわたる講演会でしたが、どの講演もそれぞれの立場から「食べる」を考えるよいきっかけを与えてくるものでした。
多職種の連携がより深まることを期待させられる一日であったと感じました。

プライバシーポリシー・サイトの利用について   PAGE TOP